発電状態の簡易診断
リビルトパーツの販売代理店を初めてもうはや6年ほどになります。
(一般向けリビルトパーツ販売は終了いたしました。
長らくのご愛顧ありがとうございました。)
おかげさまで、色々な地域のお客様より発注いただきました。ありがとうございます。

その中でよく質問に上がるのが、”ダイナモ(オルタネータ)の発電状態は判らないのか?”です。
簡易的な診断法ではありますが、デジタルテスターが一つあれば誰でも簡単にできますので、
ここでご紹介しましょう。

※ここで紹介する方法はごく一般の自動車向けです。
HV車、アイドリングストップ車、充電制御車には使えません。
実践される場合は事故にはくれぐれも気を付けて、
自己責任でお願いします。
電圧を見るだけなら安い物でも十分、
1000円以下で買えるものもあります。
1台持っていても損はしないかも!?
@・バッテリーを探す。
バッテリーへのアクセスの悪い車がちょいちょいありますので念の為…
空間効率の良い車ほど追いやられてるような気がします。
もしわからなければ、お車の取り扱い説明書をご覧ください。^^;


A・テスターを電圧のレンジでバッテリーにあてる。
この時はまだエンジンはかけず、電装品は(ルームランプなど)すべてOFFにしておいてください。
自動車の金属部分はすべてバッテリーのマイナス端子とつながっております。くれぐれもショートにはご注意ください。
この時の電圧を基準としますので、覚えておいてください。


B・エンジンをかける。
ライト類・A/Cなど電装品はすべてOFFに。この時の正常値は 13.2V〜14.5V
高すぎても低すぎても異常です。しばらくたっても変わらない場合は整備工場で点検してもらったほうがよいでしょう。


C・負荷テスト。
アイドリングのままでよいので、電装品を点けていきましょう。
出来れば、一人はテスターを見たままで、誰かに操作してもらうとわかりやすいです。
代表的な電気食い電装品は…
A/C
ヘッドライト
フォグライト
ブレーキランプ(LED式を除く)
リアデフォッガ
などなど。 さあ一つずつスイッチを入れてみましょう。

スイッチを入れると一瞬電圧が下がりますがすぐにBの値にまで戻ろうとするはずです。

しかしながら、A/C、ヘッドライト、フォグ…とスイッチを入れていくうちに電圧が下がってくるでしょう。
アイドリングでの発電量は少ないので仕方ありません。おそらくリアデフォッガまで点ける頃にはほとんどの車が
Aで測った基準電圧より下回るでしょう。

基準電圧より低い時 = バッテリーから電気を持ち出し(放電状態)
基準電圧より高い時 = バッテリーからは電気を持ち出さない(充電状態 もしくは 充電量均衡状態)

と考えていただいて問題ありません。

当然ながら放電状態のままいれば、いくらエンジンをかけている状態でもやがてバッテリーは上がってしまいます。


D・良否判定。
さて、ここからが一番肝心なところですが、どういう状態を良いとし、どういう状態を故障と判断するのか?
正直、車種・装備品により左右されますが… 今までの経験と独断で簡易的な判断基準を作ってみました。

Cの段階で放電状態になっていても、エンジンを2000回転位まであげると正常値まで回復する→○
   まず問題無いと思われます。タコメータのない車はアクセルを1/4〜1/3ほどを目安に…

2000回転位まであげても正常値(13.2V〜14.5V)までは戻らないが、放電状態ではなくなった。→△
   車種・装備品にもよりますが、充電量が落ちている可能性があります。

2000回転位まであげても放電状態のままだ。→×
   走っていてもバッテリーがあがる可能性があります。点検してもらいましょう。

といったところでしょうか。何度も言って恐縮ですが、やはり車種・装備品にも左右されますので
色々なシチュエーションを試し、故障はしてなくても
どういった時に自分の車は放電状態になるのかということを知ることは参考になると思います。

たとえば、弊社のサービスカーのCT21S。
以前ダイナモをO.H.した時に負荷テストをやってみたのですが、
アイドル中、 A/C ヘッドライト ブレーキランプ をONにすると放電状態になってしまいました。
これは、夜間の長距離渋滞では、ヘッドライトを点けたままでいるとバッテリーがあがってしまう事を意味します。
古い型のナビが結構な電気食いだったようで、こういう結果になりました。


2011.1.13